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2020年8月5日水曜日

北条鉄道「票券指令閉そく式」 

北条鉄道法華口駅に交換設備を整備(復活?)とのこと、6月1日、状況を見るために現地を訪ねた。 「自動閉そく」化は高価だし、まさか「通票式(スタフ式)」2区間で駅長(運転掛)配置か?いやそれでは続行不可だから「通票閉そく」か?いやありえない。などど、どきどき夢想しつつ現地へ到着。



 なるほど、なかなかの特殊ぶりであった。まず、現行のホームは使用停止、信号機配置からして右側通行、上下線間には乗務員用と思われる通路、そしてその通路の各方面先端部には未知の装置が据え付けられていた。




 この未知の装置は、センサーにも見えタッチボタンのようにも見え、「電子閉そく」でいうところの出発要求ボタンが車載ではなく駅設置になったのかと、その時はなかば納得した。 後日、その正式名称は「票券指令閉そく式」と知り、なおさら好奇心が高ぶっていた。

 そして先日、やっと再度訪問、すでに2列車運転訓練が始まっていた。 そのタッチボタンのように見えたブツには、なんと!粟生方の装置には「通票」緑色の、北条町方の装置には「通票」黄色と「通券」赤色のシールが貼られているではないか!




そこで交換時の重要なシーンを観察した。まず北条町から上りが到着後、上りの乗務員は車外へ出て例の装置付近に待機、つまり待機するのは上りと決まっているから、粟生方装置の上にだけ屋根があるのだろう。そのとき手には「通票」黄色カードがあった。このときおそらく「通票」黄色カードをタッチして「閉そく解除」、しばらくして粟生方から下りが入線する。



 そして、下り停車後、上り乗務員は通路を歩いて下り乗務員のほうへ行き、このときおそらく下り乗務員が「通票」緑色カードをタッチして「閉そく解除」後、通票を交換、上り乗務員が戻ってくる。そのとき手にしていたのはもちろん「通票」緑色カードであり、装置にタッチしてから粟生に向けて出発して行ったのである。



なるほど、通票がICカードになったのである! 1列車運行時は、通票(緑)と通票(黄)ふたつの通票を携行し、法華口駅で「解除」「閉そく」をそれぞれの閉そく区間通票ICカードで繰り返すものと思われる。
 つぎに気になるのは「通券」赤色である。両端駅から初発より最終まで2列車運転であれば、法華口駅で終日交換となり通票(緑)と通票(黄)だけで事足りる。ラッシュ時のみ2列車運転となると、必ずその開始と終了時に続行運転が発生する。基地は北条町だから、法華口ー北条町に通券が必要となるわけだが、法華口には駅長(運転掛)の配置はないので、その通券(赤)カードの運用が非常に気になるところである。仮に法華口駅に駅長(運転掛)が配置されれば、「票券閉そく」ではなく「通票閉そく」的となり北条町と法華口どちらからも続行が出せることになるが、「票券閉そく」とうたう以上、両方向の続行を出せるとしても票券箱は片方の駅にしかないわけで、それが指令員のいる北条町駅だということなのだろうか。 そこで、「通票がないと票券箱は開けられないので通券の発行はできない」「通券の使用は先発列車である」という規程に基づいて通券(赤)カードの運用を考えてみたのが下図である。



 通票(緑)と通票(黄)にも不必要な携行が多発することになるが、法華口駅無人だから仕方がない。いま思いつくのはそのような感じである。
じっさいは、また後日現地での確認をお楽しみにということで、とにかく、カードというトークンを採用した新しい通票の出現と、代用閉そく的な方式を常用化させ新閉そく方式を創出させた北条鉄道のパワーに驚いております。

2 件のコメント:

  1. この法華口は桜が有名で工事前に偶然行っています。

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  2. この設備によって撮影者が増えたのか撮り鉄事件が取りざたされています。またかてな感じです。質の低下が心配です。

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