そして、さいきん、もう一箇所、気になる旧線跡を見つけました。
神戸市の春日野道付近地図上で気づいたのですが、概ね方眼の区画になっているなか、一部に斜めの道が走っています。
それを見たとき、神戸市内地上線だった時代、終点三宮駅の手前で線路が斜めにクランクしていたことを思い出しました。
生田川のちょっと東、春日野道-新生田川(新川、生田川との表記もあり)間です。照合すると、まさにぴったりその位置です。
いちおう現況も見ておくべきと、現地へ行ってみました。
目標の斜め道は、大安亭市場を横切っていることから、大安亭市場から接近することにしました。
意外なほどの活気と旧態に誘惑されながら南下し、到着しました。
細い路地です。北側の住宅地も線路敷地だったようです。
しばらく路地を進みます。
駐車場に当たり、すぐに東西の道路に合流します。
今来た方を振り返ります。
線路曲線の膨らみだったことが、歩道部分の幅の違いでよく分かります。
この急曲線を、ポール姿の1形〜831形あたりまでが、車輪きしませて行き交っていた!
ここから線路はまた西に向かい、生田川を渡ります。
もういちど市場に戻り、
市場から大阪方面を見ると、ここだけ、商店とマンションの境界線だけ、斜めになっています。
この先には痕跡はないようでした。
古い地図をみてみると、
阪神開業前の地図では、斜め道も、いちおう主要道のようです。
1895年発行
まだ開業前、区画整理で廃道になったのか、その道路は消えます。
1902年発行
阪神が開業、しかし当初、斜め区間は専用軌道のように描かれています。
廃道利用の軌道敷だったのかもしれません。
1913年発行
ここにきて、併用軌道として描かれるようになりました。道路の復活です。
1920年発行
路線変更し地下に潜り地上軌道は剥がされ、道だけになりました。
阪神急行はまだ予定線となっています。
1935年発行
そして現在、細い路地として生き延びています。
上記の経緯とおりだとしたら、阪神が敷かなければ、現在の斜め道もなかったのかもしれません。